同級生からの質問に答えられなかった

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久しぶりに小学校時代6年3組の集まりがあった。
といっても女子4人、男子1人。
クラス会とかではなく、少人数の仲良し5人のグループです。

女子4人は年末にある数十人の中学の同窓会で毎年会っています。
そこにこの男子Tは参加しない。少人数で会うのが好きなようです。

この5人で前回集まったのは6年半前。
お昼にAの家でした。

今回は夜で居酒屋。
でもみんな車で来ていて、アルコールは誰も飲みませんでした。

中学の終わりに視覚障害者となり、かなり特殊な人生になった私。
見えていた時の同級生の集まりに誘ってもらえるのはうれしいものです。

25歳くらいで結婚した看護師のA
30歳くらいで結婚した保育士のY
35歳くらいで結婚したけど現在シングルで介護ヘルパーのSちゃん

男子Tは独身ですが、
子供がいる女性ともう10年以上同棲しているらしい。

それぞれの子育てや結婚生活、
男子Tの奴隷のような?同棲生活についてなど、いろんな話をしました。

主婦のみんなは夜はキッチンをきれいに片づけないと気が済まないらしい。
それもAは一人で集中してやりたいからと、家族にはさっさと寝てほしいんだそう。

うんうん、なんとなくわかるよとうなずきながら、
私はキッチンはほったらかして家族と一緒に寝とるなぁと心の中でつぶやく。
片づけは結構翌日朝にやっています。

看護師Aが調子が悪い時期があったという輪代から、
保育士Yからの
「まっちゃみるくは気持ちが落ちたりする日はないの?」
との問いに
「うーーーん」と言いながら
このままじゃ身体ごと左に倒れるんじゃないかというほど首をかしげていた私。

「まっちゃみるく~、落ちることないならないでいいんだよ(笑)
私たちに合わせてくれなくていいんだよ(笑)」

あ、はい、ないかも。
一時的に悲しかったり悩んだりすることはあっても、数日気落ちして…ということはない。

みんなより早く、22歳で結婚した全盲の私。

「まっちゃみるくは早く結婚したよね。結婚の決め手って何だったの?」

・・・え?結婚の?キメテ?
そんなの考えたことなかった。
高校1年、16歳の終わりからお付き合いしていた夫と、
自然と、学校を卒業したら結婚したいねと話していて、そうなりました。

仕事をしていない私に
「まっちゃみるくは趣味はあるの?」
「家族が出かけたら毎日何をしてるの?」
など聞かれ、
何も答えられなかった。

何も考えてない、毎日何もしてないあほだと思われたかもしれない。
いや、思われたよな。

「テレビとかみるの?」
→ いや、一切みません。

「YouTube聴きながら家のことしてるかなぁ」
「YouTubeはどんなの?」

「・・・えーっと、ニュース?とかかなぁ?」
なんか思想を覗かれるようで答えにくい。

私のあまりの歯切れの悪さに、Sちゃんのターンになった。

Sちゃん 「YouTubeね、カエルの動画をよく見てるよ~!
それと最近は政治の動画がおすすめに出てきて、それがおもしろくて見始めたよ~」

なるほど。
Sちゃんの素直ですてきな回答を聴いて、
私は保守系の政治のニュースや解説動画が好きで聴いてるんだ。と気づいた。

・・・翌日から、
趣味も答えられなかった
日中何をしてるかも答えられなかった
私って、なんなんだろう、何をして生きてるんだろうとじわじわへこみ始めた。

そしてしっかり考えたら
一週間のうちの三日は
夫か次女、または二人ともが休みで朝から一緒に過ごしている。
またこの、居酒屋で話した頃は夫が有休消化で毎週一日午後から出勤で、
週の4日は朝から家族といたことになる。

さて、残り三日のうち、
二日は9時半にホームヘルパーさんが来られるので
家族を見送って一時間半の間で朝ごはんを食べ、着替えて、
キッチンを片づけて、リビングも片づける。

となると、
朝から一人の時間があるのは月曜だけなことがわかった。

そしてその月曜の午前中に
ガイドヘルパーさんを依頼して病院に行ったり買い物に行ったりエステに行ったり母と出かけている。

もちろん予定がなく家でゆっくり過ごしている月曜もある。

でも私は、
じぶんでも『毎日何もしていない』と思っていたけれど、
案外一人じゃない時間の方が多いことに気づいた。

私の趣味は、多分家族だ。
もちろん家族だけというわけではない。
ママ友Eさんと映画に行ったりランチに行ったり、
愛知にいる親友Cとメッセージや電話で会話したり、
映画を観たり調べ物をしたりブログを書いたり。

でもやっぱり、家族のことを考えている時間が一番長いし、
家族との時間を最優先していると思う。私がそうしたくてしている。

そして、仕事をしていないことに罪悪感はない。
家族のことを愛し、考え、
片づけをしたり洗濯をしたりおいしい夕食を作るのが
私の大切な仕事だと思っている。

病気と付き合いながら、体調と相談しながら、
基本家で過ごし、愛情たっぷりで家を守っている。

それをしながら、お仕事もしている全ての女性を尊敬している。
私は今の暮らしで精いっぱい。

でも私は私。
16歳で全盲の視覚障害者になり、
でも夫と出会い、結婚することができて、母親にもなれた。

子供が長女だけだったら、今頃既に夫と二人子育てを終了した暮らしだった。

11歳違いで次女が生まれてきてくれて、
まだまだ子育て中。忙しい。楽しい。

家族の存在は本当に大きい。
私の幸せはほとんどが家族に関わると言っていい。

居酒屋での同級生からの社交辞令のような質問に何も答えられなかったことから、
考え始めたら
なんとも尊いところに着地した。

でも今更
2週間以上経って
「よく考えたら、私、案外ひまじゃなかったよ」と
同級生のグループラインに長文で送信することもできない。

だから、
まっちゃみるくは、毎日何もしていない
目がみえない障害者だし、きっと仕方ないのだろう
そんな風に思われているかもしれない。

・・・ま、いいか。

同級生からの質問の私なりの振り返りを、
読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

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